スマホを落としただけなのに

 

 思いもよらず人の優しさと文明の利器のすごさに触れました。

 

 

 あけましてこんにちは。テレビが何かにつけて『平成最後の〇〇』とやたら平成最後を強調してコーナーを組むので、まだ3か月しか経ってないのにすでに年末なんじゃないかとすら思ってきました。されど3か月。意外と早い。間もなくナナラボですね。仕事の都合上現場へ行くことも、ライブビューイングに行くこともかなわず映像化されるまでナナラボという存在は時空の狭間に追いやられる予定です。

 早速ですが、今回の記事はタイトル通りなので、今後奈々さんの話は出てきません。自戒の念も込めて備忘録です。

 

 日曜の昼下がり。友人宅でPARKの鑑賞会を行った。すでに奈々さんが出てきてしまった。話が違う。甲子園球場という特別な場所で行われたライブ、一曲一曲衣装がどうとかセトリの繋ぎがどうとか、雨に打たれてマジで大変だったことなどをお酒を飲みながら楽しく話していた。

 気づくと、PARKが2週目を回っていた。コンビニで購入してきたつまみはほとんど底をつき、持参した氷結ZEROもあっという間に空になっていた。時刻はまだまだ夕方過ぎということで、すぐに買い出しに向かった。新しいつまみと酒を楽しみながら、結局予定になかったMTVまで見て、今日も推しが尊い……といういつも通り語彙力0の着地を迎える。翌日も仕事があるため、19時過ぎには鑑賞会は終了した。時間だけみれば健全だ。

 

 隠したところで仕方がないので言おう。飲酒量は以下の通りだ。

 

・缶ビール350ml×2

・氷結ZERO500ml×4

・コンビニの缶チューハイ500ml×2

 

 自分で書いておいてぞっとする。飲みすぎだばか野郎。

 それでもなお、時間が早かったということもあり元気はあった。説得力がないことこの上ないが割と意識もはっきりしていた自覚があった。もうはっきりしてるとかいう自覚があるとか言っちゃってるのが酔っぱらいすぎる。

 電車に乗り込み、自宅へ帰ってふと気づく。スマホがない。いやしかしまあ、大丈夫だろうともう一台あるスマホで電話をかけてみる。もちろん鞄の中もコートの中もポケットの中からも反応がない。酔っぱらい、しばし悩んだのち「まあ友人宅にあるでしょう」と考えることをやめた。信じられない。事の重大性を気にすることなく、就寝。

 

 翌日、職場に行き先輩にスマホをなくしたが、おそらく友人の家にある。しかしながら酔っぱらって遂にスマホをなくしてしまいました、などと改めて考えると恥ずかしいカミングアウトをしたところ先輩から「iPhoneを探すで現在地確認してみたらどうだろう」という極めて具体的なアドバイスをいただいた。

 先ほどからずっとスマホスマホと言っていたが、今回なくしたのはiPhoneである。詳細を簡潔に説明できる能力がないので割愛するが、まあ、あれだ。iCloudがあればパソコンからでもiPhone端末の位置情報が分かるよ的なことだ。(だいぶ端折った)

 昼休み、早速パソコンからなくしたスマホの位置情報を確認する。それにしても、iCloudひとつでここまで確認ができるなんて世の中は何て便利になっただろうか……しかも連絡が取れずにいた友人の連絡先も同期をすることによって知ることができた。もうスマホをなくしても安心な時代がやってkt・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 絶句した。何度更新をかけても、何度確認しても、なくしたスマホの位置情報が友人宅とは全ッッッッッッッッッッッッッッッく違うところにあるのだ。リアルに30秒は固まっていた。思考回路はショート寸前。今すぐ会いたいよ。スマホに などと歌ってる場合ではない。完全にパニックである。

 ないじゃん!!!!!!!!全然友達の家じゃないじゃんんんんん!?!?!?!?!?!

 

 それから大慌てで何度も何度も位置情報を確認しても友人宅ではないため、涙目になりながらiPhoneを紛失モードに切り替えた。

 それにしても、半泣きになりながらもiPhoneすげええええとなったのが、まず遠隔地からiPhoneがロック状態にあることや充電の残量を教えてくれるのだ。これがなければ恐慌状態に陥り何もできなくなっていただろう。ひとまず自分のiPhoneはロックされており、まだ充電も残っている。最悪の場合遠隔操作で、iPhone内のデータを全消去することもできる。すごい。iCloudひとつで結合できちゃってマジかよこんな簡単にいろんな情報見れちゃうのかよとビビってたけどセキュリティーが突然すごい。その安心感からわずかに冷静さを取り戻し、紛失モードの状態で位置情報から場所を推測した。ら、すぐわかった。

 

 

 落 と し 物 セ ン タ ー や ん け /(^o^)\

 

 

 実に簡単な話だ。電車の中で落としていたのだ。酔っぱらった状態で電車に乗り、まあポケットに浅めに入れていたんでしょう。シートの上に落ちたか何かで、それを確認しないで降りて友人宅にあると高をくくった徹頭徹尾自業自得。呆れてものも言えない。

 すぐさま最寄りの駅に立ち寄り、事情を説明する。

 

ワイ「スマホを落としました」

駅員さん「まずスマホの特徴は?」

ワイ「iPhone SEの黒 ケースはついてません」

駅員さん「……特徴は?」

 

 もう!!!!なんかケースでもつけとけよ馬鹿!!!!!と自分をののしりまくった。

 その後、キャリアと待ち受け画面の説明をして何とかなった。

 とは言え待ち受けも何というか、非常に抽象的な何か特別特徴があるわけでない上にもともとない語彙力がさらに低下していたため、わけのわからないことを口走ったことが悔やまれる。

 

ワイ「iPhoneを探すで見てみたら〇〇駅の落とし物センターにあるみたいでして……」

 

 この一言で、一気にざわつく駅員室。後ろの方から「あ~~何か昨日の夜?〇〇駅に届いたの……」「あれiPhoneでしたよね?」「19時過ぎぐらいでしたっけ?」みたいな会話がめちゃくちゃ聞こえてくる。絶対それだわ……みたいな面持ちで待つワイ。

 そこから駅員さんも「多分間違いないんだと思うんですけど」的なところから、一番笑ってしまったのが「とりあえず連絡先……そのiPhoneの番号でいいので」と言われたときに現代に生まれ生きていく上で、スマホをなくす=連絡先をなくすことの重大性を学び、自分の手元にないiPhoneの番号をそのiPhoneを戻してもらうために番号を言うって何だこの状況……みたいな顔をお互いしてて面白かった。あと酔っぱらって日曜の普通めな時間にスマホを落としたオタクに対応してくれた駅員さんがいちいち優しくて惚れてまうやろ……。そして一番感謝すべきは拾って届けてくれた顔も名前も知らないどなたかの方……ありがとう……。

 

 その後落とし物センターに電話した際「今度の休みの日に取りに行っていいですか」と腑抜けたことを言ったら「貴重品だからなるはやで。じゃないと警察持って行かなきゃならなくなるから、手続き面倒になっちゃうよ」とこれまた優しく教えていただいたので仕事終わりにすぐとりにいきました。

 

 

 情けなすぎて笑えてきて当の本人が一番笑っているのでどうか笑って欲しい。失笑でいいから。

 これまでも数々お酒の席で、盛大に転んでいろんなところに痣を作るだの、ポーチをなくして中のものを全部再購入するだの、終電に間に合うようお開きにしたのに電車の中で寝過ごして何往復もしたら終電逃して結局タクシーで帰るだのとやらかしてきたわけだが、今回はその中でも群を抜いている。

 

 どうかこれが、平成最後のお酒の失敗でありますように。