FEARLESS HEROが好きなことについて話がしたい

 出会いは2012年7月15日、大阪城ホールで行われたLIVE UNIONだ。ファンクラブに入ってから初めてのツアー、奈々さんのライブでは初めての遠征だった。そういえばまだ大阪城ホールの周りって何にもなかったような。あと物販でペンライトがすでに売り切れていて大変落ち込んでいたら、ライブ中隣の方が余っていたペンライトを貸してくださった思い入れ深いライブの一つである。
 アンコール一曲目、確かイントロと同時に奈々さんが「新曲です!」って言っていたような……あれ、16日の二日目に言ったのかな?記憶が曖昧だが、8年前のこの頃はまだCD未収録曲を歌われることに不慣れで、かつスマギャンも聞いていなかったので、まさかアンコールで知らない曲が組み込まれてくるとは夢にも思っていなかった。それでもぼんやりと爽やかなメロディーが夏らしくて好きだなと、お借りしていたペンライトを振っていた。翌日16日にはきちんとペンライトも購入でき、日替わり曲の存在を知って慄いていた。セットリストって固定じゃないんだ……とそれまでの固定概念を吹っ飛ばされてそこからツアーとはそういうものだと自然と化しててすごい。全然当たり前じゃないことを当たり前のようにやってのけるチームミズキの努力すごい。

 

 次にセットリストに組み込まれたのは翌年、LIVE CIRCUSである。2013年は今思い返しても胃が痛くなるような多忙な日々を過ごしていたため、西武ドームに一日参加するのがやっとであった。そのしんどさの中、FEARLESS HEROのイントロが流れて花道を駆ける奈々さんの背中を見て、必死にスケジュール調整をしてよかった……と多分この頃からFEARLESS HEROを聞くと泣く仕様になっていた。

 

 何かのインタビューで奈々さんが、FEARLESS HEROは口角がきゅっと上がってずっと笑顔で歌えると述べていたことを今でも鮮烈に覚えている。なるほど、確かに夏らしい爽快なメロディーで聞いていても明るい気持ちになる。一方で、歌詞を読んでいるとちょっと切なさを感じることがある。今よりも強くなりたい、優しくありたい、そして君に笑顔でいて欲しいと、ささやかだけれども強い願いが込められている。それはとても身近で、寄り添うような温かみを感じるのだ。力強い音楽に、青空を突き抜けるような奈々さんの歌声で、真っ直ぐな歌詞。何度も聞きたくなるし、何度聞いても飽きることなく心を打つ。

 UNIONで初めて聞いてから、CIRCUSで好きである確信を得て、それから数々奈々さんの楽曲を聞いて、たくさん好きな曲ができた。それまでリリースされた曲を聞き込んで今まで以上に好きになった曲もいっぱいある。その中でも、FEARLESS HEROはずっと一番だった。具体的に何がどう一番なのかは説明ができなかったし、そもそも好きなことを説明したり論じたりすること自体が難しい。う~~~~~~ん大好きが溢れちゃうからかな?みたいな理屈で曲は好きだったりする。

 

 ところが決定的な瞬間がやってくる。2016年4月10日。LIVE GALAXY -FRONTIER-。前日のGENESISで飛びすぎて猛烈な筋肉痛に襲われていたこの日は、いつもライブに参加する友人と奈々さんのライブが初めてという三人で参加した。座席は一階三塁側。全体を見渡し、東京ドームの広さを感じるにはとてもいい席だった。一曲目から全く違うセトリで、筋肉痛も忘れて盛り上がった。特に前半ではTricksterが始まるギターソロで曲に気づき友人がいまだにその速さに笑ってくる。聞き込んだら絶対みんな同じタイミングで気づくはずである。そして魔女っ子ではかなり近い距離で奈々さんが手を振ってくれてかわいかった。推しがホウキに乗って空から手を振ってくれるなんてここはジブリの世界かなと思った(?)
 二日目も最高に楽しい!!!!!!!GALAXY!!!!!!!本当にライブは最高!!!!!だいたいずっと頭の中がこんな感じの語彙力で、次はどんな曲がくるのか、イントロが流れてくるのをワクワクしながら待っていた。
 ダンスの二曲を終え、NANA CLIPISの話や新曲、出演アニメの話を聞きながら次の曲も何かなと胸を躍らせていた。まだこの辺りは胸が躍るぐらいのテンションである。


「ではでは、続いての曲なんですけど。そんな“ヒーロー”なワードが入った曲でございます」


 このMCで固まった。さっきまで躍っていた全身が固まった。いい意味で。
 嘘でしょうまさか、歌うの????東京ドームで?????二日間しかないし今日で終わりなんだけど、残り数少ない選曲の中でまさか歌うの????え???え??????????????

 言葉にすると大体こんな感じだが、友人曰くずっとその肩を叩きまくってたらしい。普通に迷惑。らしい、というのはイントロが流れだした瞬間叫んで、自分の叫び声があまりにも大きくてその後泣きながらタオルで口元覆ってたぐらい嬉しくて記憶が飛んでいるからである。この、口元を押さえる、というのは押さえていないといろんな感情が口から飛び出してしまい自分の収集がつかなくなるような気がするからだと知った。
 しかも東京ドームの端まで走ったかと思ったら、間奏で端から端まで全速力で走り出すし、走りながら歌うし、ステージの真ん中に戻りかけてるアニキとケニーに指差しながら逆に行くよう指示出ししてるし、数秒間での情報量がすごい。会場で見た時、何よりも感動したが、その後発売されたBlu-rayでも本当に何度も何度も繰り返し見た。VHSだったら擦り切れてる。

 

 奈々さんの楽曲は耳で聞くだけではなく、表題曲であればMVがあるし、ライブで歌う姿を見て様々な思い出とともに楽しんで好きになっていく。この日、この瞬間、東京ドームという場所でこのセットリストでFEARLESS HEROが歌われたことによりもう他の追随を許さない、絶対的一番好きな曲になった瞬間だった。

 もはや完全燃焼。FEARLESS HERO初披露から、CIRCUS、それから三年空いてGALAXY。もう自身のFEARLESS HEROは完全に一番の思い出とともに焼き付いた。この先どんなことがあっても好きでいられる曲に出会えるなんて幸せである。それからFEARLESS HEROが聞きたい、歌って欲しいとライブごとに言ってきたが、なかなか披露されないであろうし、それでもいいと思っていた。

 

 そのためISLANDではまた固まった。そういえば、この日も大阪城ホールだったなあ。
 ISLANDってまさにFEARLESS HEROのためにあるようなテーマだな????などということをツイッターで呟き、ライブ中も隣にいた友人(mkbtrr)にオープニングでFEARLESS HEROっぽくない?と言い、STARTING NOW!!で大いに盛り上がり、ブリッジムービー明けでFEARLESS HEROっぽくない?と言いパラグライダーで歌うアオイイロで一緒にMaybeしてサイコーにキラキラした。ここまでくるっぽいと言い続けたのに、なぜか本編ラストでくるとは微塵にも思っていなかった。セトリを当てる能力が皆無。
 そこからの流れはGALAXYと概ね同じである。MCでパニクり、曲中は固まってタオルで口元を覆う。で、泣く。人は二年で何の成長もしないのだと痛感した。幸いなことにISLANDはこれまでの奈々さんのツアーの中でも最も回数を重ねることができた。メットライフドームでは、平成最後の夏、ISLAND、FEARLESS HERO、ありがとう~~~~~~~~~~~~~(;;)と一人で参加し、どの音も、どの言葉も、どの瞬間も決して逃すまいと全身で曲を感じた。ステージ上でひときわ明るい照明が奈々さんに当たる。曲の終わりを知らされるともうただただ拍手。拍手喝采。立っているのにスタンディングオベーション(?)
 また大好きな思い出が加わって、不動の一番。殿堂入り。もはや好きすぎてランキング外状態。それでもまた言い続ける。今後どうなっていくかは誰にも分からないが、またライブが、楽しくて最高なライブに行ける日がくる時には、必ずFEARLESS HEROを歌いそうだと騒ぎ立てる。そんなこれまで当たり前だった日常が、きっと姿や形式は変わっているだろうが、またくると信じている。FEARLESS HEROもきっとくる。


 改めて考えて、聞けば聞くほど好きだと実感できたわけだが、前述した決定的な瞬間が、来る8月16日の日曜日に……?え?YouTubeの……?えっプレミア公開で????え????????家で?????????見れてしまう????????????同時に????????そんな奇跡が……………????????????
 起きてしまうなんて!!!!!!!!!!!!!!いまだに信じられないぐらい!!!!!!!!!!!!!!!嬉しい!!!!!!!!!!!!!!青の果てまで!!!!!!!!!!!!!舞い上がって!!!!!!!!!!!!!!!泣こう!!!!!!!!!!!!!!!!!!FEARLESS HERO大好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!